親のバイアス(先入観、思い込み)が子どもをダメにする!

~子どもの不安に気づくことで変わる親子関係~

自分の既成概念に気づき、自分と相手をともに活かす交流をめざす
『セルフカウンセリング』を普及するNPO法人です。

イメージ写真
写真はイメージです(photoACより)

先日、小学生の息子さんを持つお母さんから相談を受けました。

「コロナの感染拡大防止のため学校がお休みになり、子どもがゲームばかりして困っています。

最初は仕方ないと思って見ないフリをしていましたが、さすがに毎日ゲームばかりではよくないと思うようになりました。

少しくらい勉強してほしいと思って勉強しなさいと言っても効果なし。

1日のスケジュールを私が考えて、やるように指示しました。

2~3日はカリキュラムに従ってやってくれたので、ホッとしたのも束の間。

すぐにゲーム漬けの生活に逆戻り。

どうすればいいのか困っています。」

 

休校中にゲームばかりやっている息子さんを見て不安に思うお母さんの気持ちよく分かります。

学校が休校になったことで、同じような状況にあるご家庭も少なくないかもしれません。

 

私事で大変恐縮ですが、私にも一人息子がいます。

彼が中学生の頃、夕方、私が勤めから戻ると、息子はほぼ毎日テレビでゲームをしていました。

 

ある日、期末試験の一週間前になってもゲームをしている息子を見て私はたまらなく心配になりました。

私は〈勉強したくないからゲームばかりやって!

期末テストが大事なこと、全く分かっていない!〉と思いました。

そこで、私は「期末テストの一週間前なのに勉強しなくていいの?」と聞きました。

すると、彼は「これが終わったらしようと思っていたのに。

やる前に言われるとやる気がしなくなる」と言いました。

彼の言葉を聞いて〈勉強したくないから、私のせいにしている!

期末テストが大事なこと、全く分かっていない!〉

と私は思いました。

 

彼とのやりとりの中で、私は“勉強したくないと彼は思っている”と思い込んでいます。

でも、彼は“勉強したくない”とは一言も言っていません。

むしろ、“勉強しようと思っていた”と言っています。

“彼が勉強したくないと思っている”と自分のバイアス(先入観)で彼を私は見ていました。

 

セルフカウンセリングのフォーマットで自分と息子とのやりとりを具体的に書いてみると、彼の気持ちが見えてきました。

彼の立場に立って思い巡らしてみると、彼はゲームをすることで、期末テストに対する不安な気持ちを紛らわそうとしていたのではないかと思えました。

期末テストを一週間後に行うことは学校でも言われていただろうし、私が言わなくても自分自身で十分わかっていたことでしょう。

彼のココロの中には〈期末テストで点数が取れなかったらどうしよう〉

などの不安な気持ちがあったのかもしれません。

そんな不安を和らげるにはゲームをやるほかなかったのかもしれません。

 

新型コロナウイルスの感染防止のために学校が休校になっている今、ココロに漠然とした不安を抱えている子どもは少なくないと思います。

 

ゲームをやり続けているとしたら、そうせざるを得ない気持ちがお子さんのココロの中にあるのかもしれません。

 

ゲームをやっているお子さんに対して、お子さんの立場で言葉をかけてご覧になると、ゲームをすること以外で不安な気持ちを和らげる方法が親子で見つけられるかもしれません。

 

子どもの立場に立ち子どもの気持ちに寄り添い、言葉をかけるには、自分のバイアス(先入観)をちょっと横に置くことが大切です。

自分の先入観を自覚せずに子どもに言葉をかけると、自分の先入観が言葉の端々に表れます。

自分のバイアスが入った言葉は子どもが敏感にキャッチするため、子どもの反発を引き起こします。

 

子どもがゲームをし続けることに対して親である自分がどんな気持ちを持っているのか、どんな願いを持っているのか、を突きとめてみましょう。

セルフカウンセリングのフォーマットを用いて、自分の気持ちを具体的に書き表すことができると自分の願いも具体的に捉えることができます。

自分の気持ちを自覚できると、自分で自分の気持ちを受けとめられて、ココロがストンと落ち着きます。

 

自分の気持ちが落ち着くため子どもの気持ちに寄り添った言葉をかけることも自然にできていきます。

 

互いの気持ちを受けとめた交流は、どんなに厳しい現実も受けとめつつ、それを親子で楽しみながら、有意義な時間を創造することもできるでしょう。

 

(セルフカウンセリングは商標登録されています。)

 

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