年頃の娘に嫌われたくない!

父親が変われば娘が変わるセルフカウンセリング

自分の既成概念に気づき、自分と相手をともに活かす交流をめざす
『セルフカウンセリング』を普及するNPO法人です。

イメージ写真
写真はイメージです(PhotoACより)

幼い頃は「パパ大好き!」と言っていた娘が、年頃になって、次第に父親の存在をウザいと言い始めるという話を聞くことがあります。

 

年頃になった娘に嫌われない方法はあるのでしょうか?

秀雄さんの体験を手がかりに考えてみましょう。

 

秀雄さんには高校生になるヒロミさんというお嬢さんがいます。

ヒロミさんは小学生の頃までは「パパ大好き!」と言って、秀雄さんと一緒によく遊んでいました。

ところが中学生になった途端、ヒロミさんから秀雄さんに話しかけることがなくなりました。

秀雄さんには、どうして娘が急に話さなくなったのかわかりませんでした。秀雄さんから話しかけても、ヒロミさんは「うん」「そう」としか答えません。ヒロミさんの態度の変化に秀雄さんは戸惑いました。どうしてこんなに嫌われたのかと不安に思いました。

 

秀雄さんはヒロミさんが話さなくなったのはどうしてなのか知りたい、小学生の時のように娘と仲良くしたいと思いました。

そんな時、ネットで検索しているとセルフカウンセリングという方法に出会いました。セルフカウンセリングは渡辺康麿氏(玉川大学元教授)が創案した方法です。

ヒロミさんと仲良く話せるようになるかもしれないと思い、秀雄さんはセルフカウンセリングの方法にチャレンジしてみることにしました。

 

【秀雄さんがセルフカウンセリングの方法でヒロミさんとのやりとりを書きました】

状況:休日のある日の午後。秀雄さんがリビングでくつろいでいると、ヒロミさん(高校生)が出かける支度をし始めた。

 

【秀雄さん(私)が書いたヒロミさんとのやりとり】

ヒロミが着替えて、コンタクトレンズを付けていました。

私は〈あれ?ヒロミは出かけるのかな?

コロナ感染者が増えているのに、どうしてでかけるのだろう。

どこに行く気なのか!

確かめておかないと!〉と思いました。

私は「コロナ感染者が増えているのに、ヒロミはどこに出かけるの?」と言いました。

ヒロミは「どこでもいいでしょ。パパには関係ないよ」と言いました。

私は〈関係ありありだろう!父親じゃないか!

娘のことを心配しない親がどこにいる!

コロナに感染したら大変じゃないか!

できるだけ早く帰ってきてほしい〉と思いました。

私は「遅くならずに帰って来いよ」と言いました。

ヒロミは玄関に向かっていきました。

私は〈返事くらいしたっていいじゃないか!

何が気に入らないというんだ!

話しかけているのに返事もしないなんておかしいだろ!〉と思いました。

私は「返事くらいしなさい」と言いました。

ヒロミは玄関から出ていきました。

私は〈いつから、こんな子になってしまったのか。

小さい頃はあんなにかわいかったのに。困った娘だ!〉と思いました。

 

【秀雄さんの気づき】

セルフカウンセリングの方法で書いてみて、娘との関りがリアルに見えてきました。

ヒロミとのやりとりを書いて、ヒロミが自分に発した言葉が「どこでもいいでしょ。パパには関係ないよ」ということしかなかったことに改めて愕然としました。

一方、自分はヒロミの言動に全関心を集中させていたことが分かりました。ヒロミを心配する気持ちが返ってヒロミの負担になっているのかなと気づきました。

ヒロミが玄関から出ていった後、私は〈困った娘だ!〉と思っていますが、ヒロミからしてみれば、私のほうが“困った父親”と思ったかもしれないと思いました。

ヒロミも思春期に入り、親離れの時期に近づいているのかもしれません。

ヒロミが自分の手元から離れてしまうようで淋しい気持ちもしますが、大人として扱うことが必要な時期が来ているようです。

これからは、口を出しすぎずに見守る姿勢を身につけられたらと思いました。

 

父親は娘が可愛すぎるあまりに、手出し口出ししすぎてしまうこともあるようです。娘を大事と思うなら、口出ししたくなった時、ちょっと立ちどまることを実行してみましょう。ちょっと立ちどまることで、娘と自分の気持ちのあり方が見えてきます。お互いが何を大事にしているのかが見えてくると、秀雄さんのように、互いの気持ちを大事にした交流もできてくるでしょう。

 

(セルフカウンセリングは商標登録されています。)

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