3.祖母の優しさに出会えた― 他者が見えてくる ― 河上玲子

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こんにちは。

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。

 理事、監事がセルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。

 

前回に引き続き、理事の河上玲子さんです。

 

3.祖母の優しさに出会えた ―  他者が見えてくる  ― 

 

基礎科の授業では、最初に「自己形成史一覧表」を作ることを学びました。 

 

1.幼児期からの印象に残っている場面を、一場面づつ小さなポストイットに記入する。 

 

2.縦軸に時期(幼児期・学童期・中高期・学生期・結婚後・・・)、横軸に相手(父・母・祖父母・兄弟・友人・夫・・・)のように区切った、大きな表を用意する。 

 

3.場面を記入したポストイットを、時期・相手の区分に従って、表に貼り込んでいく。 

 

4.出来上がった所までを、縦読み・横読みで読み返し、気づいた事を発表する。 

 

という形で、基礎科の約1年間を、この学習に費やしたように思います。 

 

表を作り、読み返すことで、祖母に対する思いに変化が生まれました。 

 

私はそれまで、祖母に対して余り良い印象を持っていませんでした。ところが、私が思い出して書いた具体的なエピソードには、暖かく優しい祖母の姿が沢山ありました。 

 

例えば、ケガをして幼稚園の運動会を欠席してしまった失意の私(5才)の、傷の手当をしてくれる優しい祖母。8ヶ月に及ぶ疎開先からやっと自宅に戻った日(7才)、4人膝を揃えて帰宅の挨拶をする私たち姉弟に見せた、嬉しそうな笑顔など、沢山の祖母が思い出されました。 

 

母はいつも祖母の前では、子供たちに注意したり叱ったり、厳しくする事が多かったように思います。それは、姑に対する気兼ねや配慮からだったであろう事は、今では容易に想像できますが、子どもの私には、まるで祖母から叱られているような、嫌な雰囲気だけが残りました。こうした経験を通して、祖母に対する(―)なイメージが生まれていったのではないか、と気づきました。 

 

祖母に対する私の思いが変わりました。セルフ・カウンセリングを学ばなかったら、私は祖母のこの優しさに気づく事なく、一生を終えてしまったかも知れません。私が高2の時に祖母は84才で亡くなりましたが、死後何十年もたってから、私はこのようにして祖母の新しい一面に、初めて出会う事が出来たのでした。これは、私にとっても、亡き祖母にとっても、本当に幸せな事でした。 

 

 

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コメント: 4
  • #1

    東 由紀子 (金曜日, 23 9月 2022 10:28)

    祖母の優しさが忘れられないのですね。生きるうえでプラスになれば良いですね。

  • #2

    河上 玲子 (日曜日, 25 9月 2022 23:54)

    東 由紀子 様
    暖かいコメントを有難うございます。
    自分を取り巻く人間関係の中で、暖かいものを感じる事が出来るのは、本当に幸せなことですね。
    私はもう80代。そう遠くない日に訪れる事になる彼の地で、私を迎えてくれるであろう人々の笑顔を想い浮かべ、私も又、笑顔で旅立てるような大きな安心感を持てるのは、この暖かさのお陰だと私は思っています。

  • #3

    関香澄 (月曜日, 26 9月 2022 05:48)

    読んで、私のおばあちゃんの
    ことを思い出しました。

    私が気がついた時には認知症で既に長生きだなぁと思う年齢でした。

    私が覚えていることは、
    おばあちゃん家にある古いオルガンを友達に教わったのを引いた時にスッとたち、そうじゃないでしょと言われた時はビックリしました。

    おばさんが
    おばあちゃんは教えていたからね
    と言われて、

    ふっと‼️
    覚えていることに驚いたことです。

    それと、たくさんの薬をおばさんの言われたとおりのんでいたのを思い出しました。

  • #4

    河上 玲子 (月曜日, 26 9月 2022 17:59)

    関 香澄 様
    おばあちゃんのことを、思い出されたのですね。オルガンの(もしかしてピアノの?)先生だったのですね。香澄さんのオルガンの音を聞いて、おばあちゃんの中に、しっかり蘇るものがおありだったのでしょう、と思いました。
    そしてその時の光景を、今の香澄さんが思い出しておられる…。
    亡くなった人であっても、思い出して語り合っている間は、その人はまだ心の中に生きている、と言います。
    こうして人の思い出は繋がっていくんでしょうね。  お便りを有難うございました。