間違いだらけの叱り方ほめ方 (2)

写真はイメージです(イラストACより)
写真はイメージです(イラストACより)

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。

セルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。

 

こんにちは。

今回は、子育てエッセンスあふれるコラムを2回目をお届けします。

 

「間違いだらけの叱り方ほめ方」(2) 

~学陽書房はしがきより~「認める」ということ恵泉女学園 元カウンセラー渡辺ミサ

 

前回の続きより

あなただったら何と言いますか?

 

子どもが家事を手伝っているときに、手を滑らせてグラスを落として割ったとします。そのとき、子どもに、あなただったら何と言いますか?

 

A『何やってんの!大事なグラスを!』とどなります

この言葉は、もちろん、子どもの行動と子どもの気持ちを認めることにはなりませんね。

 

B『危ないから、ガラスには触らないで!』とまず、言います

この言葉は、子どもの行動と気持ちを認めることにはなりませんね。Bを選ばれた方はガラスの破片でケガをするのではないかと心配で、子どもが考える前に先回りして指示しているだけですね。

 

C『今度は落ち着いてやろうね』と言います

この言葉は、今したことは、子どもが落ち着いてやらなかったから、今度は落ち着いてやろうねというメッセージです。子どもが今したことはダメだったのだと否定しています。また、子どもの気持ちには触れていません。認めることにはなりませんね。

 

D『また、買うからいいよ。失敗なんか気にしないでいいよ』と言います

この言葉は、子どもがしたこと、その結果から目をそらせています。その時の子どもが失敗したなあと思っているのか、自分は壊したくなかった悔しいと思っているのか、壊してもったいないことをしたと悲しくなったか、親に怒られるのではないかと恐れていたのかわかりませんね。子どもの気持ちを認めることにはなりませんね。

 

E『グラスを落としちゃって、割れちゃったね。どうしようって思っているのかもしれないね』と言います

この言葉は、子どもが落とした事実と割れたという結果を認めています。そして、子どものその時の気持ちを、推察して言葉に表して問いかけていますね。これが「認める」ということです。

 

その言葉によって、子どもは、誰のせいにもしないで、自分が落としたという事実、グラスが割れたという事実を認めることが出来ます。また、推察通りでなくても「どうしようって思っているのかもしれないね」と問われることをキッカケに、子ども自身が自分の内を見つめることになります。そして、自分の内に気持ちがあるのだという事実を認めることが出来ます。つまり、自分の事実を自分で引き受けることが出来るようになります。

これが自己信頼感への第一歩となり、自立心や意欲へとつながります。

 

大人自身も自分の気持ちを認める

子どもの事実と気持ちを認めることが出来るためにはどうしたらよいでしょうか。

それには、大人も自分で自分の気持ちを認めることができることが、必要です。

自分の気持ちを理解し認めることができると、大人も自分の気持ちを伝えることができるようになります。私たちは、自分のありのままの思いを抑え込んでいると、相手の気持ちを思うゆとりは生まれませんね。そこで、自分の言動、その奥の自分の気持ちをありのままに書いてみましょう。

 

 

セルフ・カウンセリング🄬は、自分が自分のカウンセラーになって自分を認めることができるための方法です。自分の良いも悪いも丸ごとの気持ちがあることを、自分で認めることができた時、心が軽やかになります。ここから、相手を認め、自分の気持ちを相手に伝える、心の通い合いが生まれます。

 

ーー【関連講座のお知らせ】ーーー

5月27日(土)13:30-15:00 オンライン(Zoom) 定員10家族

パパママのための自分の気持ち受けとめ講座

詳しくはこちらから

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    永野秀則 (木曜日, 20 4月 2023 10:25)

    前回BからDと言うと書きましたが、自分の言動は相手を気遣うという気持ちと、自分の気持ちはなにをやってくれるんだという気持ちで腹がたちますが、相手を気遣う気持ちでまた買うからいいと心裏腹なことを言います。

  • #2

    永野秀則 様へ ブログ担当より (木曜日, 20 4月 2023 11:46)

    裏腹、葛藤しておられるご自分の気持ちに気付いて、言葉として書き表せたこと、とても大事なことができているのですね、
    素晴らしいことです、両方とも、大事な自分の気持ち、では、今は、どっちの気持ちを相手に伝えようかな?と選び、伝えましょう、すぐに選び取れないときは、落ち着いたときにゆっくりお話ししてみると、相手も落ち着いて受けとめられることでしょう、
    ありがとうございました❗