セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。
セルフ・カウンセリングの創案者である渡辺康麿先生は、かつて公民館や社会教育館で、主婦の皆さんを対象にセルフ・カウンセリングの手ほどきをしていました。
そして、参加者の皆さんの体験記を、「妻たちのセルフ・カウンセリング」というタイトルで雑誌に連載していました。
その体験記の一部を、ご本人の承諾を得て、ブログでご紹介していきたいと思います。
今回は、岸本芳恵(仮名)さんの体験記の第1回です。(全6回)
岸本芳恵(仮名)さんの体験記 その1
◆夫とのかかわり方を変えたい
夫は、私が家をあける事をとても嫌がります。
これまで、私は夫が家にいる時には、できるだけ外出しないようにしてきました。
けれども、昨年来、やむを得ない事情から、夫が家にいる時に外出する機会が増えてきました。
夫は、私が外出すると分かると、途端に不機嫌になります。
そんな夫を見ると、私は何とも言えない嫌な気分になりました。
〈もっと気軽に外出できるようになりたい。でも、どうしたら良いのだろう。〉
そんな事を感じていた時、近くの社会教育館で、セルフ・カウンセリングの講座が開かれる事を知りました。
その講座には、「新しい夫と妻のあり方を目指して」という副題がつけられていました。
その副題を見た時、私は〈夫との関わり方を変えたい。夫の顔色を見ながら外出するような関わり方は、もういやだ。〉と感じました。
私は、すぐに受講の申し込みをしました。
◆夫とのやりとりが心にひっかかっていた
第一回目の講座に参加し、セルフ・カウンセリングという方法が日常生活の一場面を見つめる方法である事を知りました。
講師の先生は「最近の出来事の中で、印象に残っている出来事はありませんでしたか。
その時の事を書き方のルールに従って、できるだけ具体的に書いてみましょう」とおっしゃいました。
実は、数日前の夫とのやりとりが、心に引っ掛かって、何となく気分がスッキリしませんでした。
私はその時の事を取り上げてみる事にしました。
◆もう一年やらせてなんて言いにくい
私は、昨年、娘が通う中学校でPTAの役員を引き受けました。
役員になると、何かと家をあけることが多くなります。
できれば、引き受けたくなかったのですが、他に、役員のなり手がいなくて、引き受けざるを得なかったのです。
夫には「子どものために、一年間だけ我慢して」と説明しました。
夫はしぶしぶ承知しました。
役員の仕事は、思っていたよりも大変でした。
けれども、慣れるにつれて、楽しい事も増えてきました。
いろいろなお友達も出来て、生活に張りを感じるようになりました。
学校の先生方の様子も分かり、娘とも良く話せるようになりました。
あっという間に一年が過ぎ、翌年の役員を決める時期になりました。
ある晩、PTAの執行部の方から電話がかかってきました。
その方は「私は、来年も引き続き、執行部にとどまることになったんだけれど、
出来たら、岸本さんも、もう一年、役員をやって下さらないかしら。
経験者がいらしてくださると、とても心強いのよ。
特に、岸本さんのように、しっかりした方がいらしてくださると、とても助かるわ」とおっしゃいました。
私は、すぐにでも承諾したいと思いました。
けれども、一瞬、夫の顔が思い浮かびました。
私は「すぐには、お返事できないんですけれど…。
夫に聞いてみる必要があるので…。ちょっとお待ちいただけますか?」と答えました。
執行部の方は「いいですよ。良い御返事をお待ちしています」とおっしゃいました。
「夫に聞いてみる」と言ったものの、「一年間我慢して」と言ったのに、「もう一年やらせて」と言うのは、気が引けました。
なかなか夫に言い出せずにいたのですが、ある時、意外なことに、夫の方から、来年の役員について話しはじめたのです。
(つづく)
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