pas à pas(一歩一歩) 第4回「思いやり」吉田 みどり

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写真はイメージです(PhotoACより)

こんにちは。

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。

 理事、監事がセルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。

 

 前回に引き続き、理事の吉田みどりさんです。

 

pas à pas(一歩一歩)第4回「思いやり」吉田 みどり

 

ここに一冊の絵本があります。

 

「でんでんむしの悲しみ」(新美南吉)

ある日、自分の背中の殻の中に悲しみが一杯あると気づいた一匹のでんでん虫が他のでんでん虫を訪ねて歩き、誰もが殻の中に苦悩を持っていると知っていくお話です。

 

 この絵本は、小学生の孫にはあまり受けませんでしたけれど、私は、とても静かな気持ちになります。

そして「人は、一瞬一瞬、不安を持っているのだよ。だから、ちょっと立ち止まって、天を仰ぎ、それから、下を向いて、自分の心を見るといった落ち着くきっかけ、いわば祈りの時が、必要なんだ。」と言っておられた康麿先生の言葉を思い出します。

 

 たとえば、企業で行っているコミュニケーション・トレーニングの研修では、限られた短い時間で、ほんの数行だけ、日常生活を振り返ります。

そんなちょっとした取り組みの中からも、必ず、自己評価欲求が取り出せます。

私たちは、一瞬一瞬、欲求が満たされたり、満たされなくて悲しみが一杯になったりしています。

そして、その悲しみも一人ひとり違っていて同じものはないのです。

一つとして同じものはないからこそ、たった一つの、共通する存在受容欲求を感じ、他者への思いやりを大切にしたいと思うのです。

おたがいさまの悲しみに気づいた一匹のでんでん虫のように。