「ココロとカラダをスッキリ!!」(その2)  牧野妙子

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写真はイメージです(PhotoACより)

こんにちは。

セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。

セルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。

前回に引き続き、専任講師の牧野妙子さんです。

 

「ココロとカラダをスッキリ!!」(その2) 牧野妙子

 

(前回のあらすじ)

妻が作ったカレーに対して、「おいしいよ」と伝えたつもりだった冬男さん。

けれども、その気持ちは妻に伝わらなかったようです。妻は不機嫌になってしまいました。

冬男さんは、「伝え方の順序とコツ3か条」に沿って、妻への言葉がけを新たに発想してみました。

 

◇ 初めの言葉がけ

 

妻は「今日は特製のカレーを作ったのよ。

   どうかしら?」と言った。

私は「おいしいけど もうちょっとスパイスきかせたほうがおいしいんじゃないかな」と言った。

 

◇ 新たに発想した言葉がけ

 

妻は「今日は特製のカレーを作ったのよ。

   どうかしら?」と言った。

私は「今日は特製のカレーを作ったんだね。おいしいよ!

   今のままでも充分美味しいけど、もうちょっとスパイスきかせてみたらどうだろう。

        もっとおいしくなるんじゃないかと思うんだけど」と言った。

 

◇ 3か条に沿って言葉がけを発想すると…

 

1.受けとめる

最初の言葉がけでは、冬男さんは、妻の「今日は特製のカレーを作った」という言葉を受けとめていませんでした。

妻の言葉には、〈今日のはいつもと違うカレーなのよ。特製なのよ〉という気持ちが込められていたのではないでしょうか。

妻の言葉をそのまま繰り返す事で、その気持ちを受けとめる事ができます。

 

2.伝える

初めの言葉がけでは、「おいしいけど〜」と、「おいしい」という言葉に、「けど〜」という否定の接続詞がついています。

このように否定の接続詞がつくと、後半の内容が強調されて、最初の言葉「おいしい!」という言葉が相手に届きにくくなります。

おいしいよ!と、自分の気持ちをはっきりと伝えることで、〈おいしいと思っている〉という気持ちはよりハッキリ伝わる事でしょう。

 

3.提案する

さらに、〈スパイスをきかせてみてはどうだろう〉という自分の提案も、押しつけではなく、自分はこのように感じたんだけれど、どうかな、と相手に問いかけています。

このように問いかけることで、妻の側も自分の考えや意見を言いやすくなることでしょう。

 

コミュニケーションは「言葉のやりとり」です。

けれども、「言葉」の奥には、「気持ち」があります。

コミュニケーションとは、言葉を通して、気持ちのやりとりをすること、と言い換える事ができるかもしれません。

そうであるなら、より良いコミュニケーションのポイントは、相手が言葉に込めている「気持ち」をしっかりと受けとめ、その上で、自分が言葉に込めている「気持ち」を、相手に届くように伝えることにあるのではないでしょうか。

伝え方の順序とコツの3か条は、まさにそのポイントを実践するための道しるべとなることでしょう。

                                 

 (講師 牧野妙子)