こんにちは。
セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。
セルフ・カウンセリングに関わって感じた各人の感想、思いつき等 あくまでも個人としての自由な意見・考え方をブログでお伝えしています。セルフ・カウンセリングを学ぶ上で、皆様の参考になれば幸いです。
前回に引き続き、専任講師の牧野妙子さんです。
「ココロとカラダをスッキリ!!」(その9)
(前回のあらすじ)
動画を見ながら宿題をする娘さんを叱った場面を、セルフ・カウンセリングの書き方のルールに沿って書いてみた陽子さん。自分の中に、自分の子育てをご主人に認めてほしい、という思いがあった事に気づきました。動画を見ながら宿題をしている娘の姿をご主人に見られたくない、との思いから、娘をキツく叱っていたのだ、ということが見えてきたのです。
◇ 陽子さんがセルフ・カウンセリングのルールに沿って書いた記述
娘は動画を見ていた。
娘の前には宿題のプリントと筆記用具が置かれていた。
私は〈ああ、また動画を見ている。
手が止まっちゃって、全然進んでないじゃない。
もうすぐ主人が帰ってくる。
主人から、なんでもっと娘の勉強を見てやらないんだって言われるだろうな。
私は、ちゃんと娘のことを見てやっているわ。娘が私の言うことを聞かないのがいけないのよ!〉と思った。
私は「宿題する時には動画を見ないって何度言えばわかるの!もう夕食の時間よ!」と言った。
◇娘はどんな気持ちだったのだろう
陽子さんは、繰り返し、自分が書いた記述読み返してみました。
すると、少しずつこの時の出来事と距離をとることができるようになりました。
まるで第三者になって、自分と娘さんとのやりとりを見るように、客観的に見る事ができるようになったのです。
〈ああ、私は、主人に娘の姿を見せたくないと思って焦っていたんだな。それでカッとなって娘を叱りつけてしまったんだな〉というように。
そして、少しずつ、娘さんの気持ちを娘さんの立場に立って想像することができるようになってきたのです。
〈いきなり怒鳴られて娘はビックリしただろうな。それに、いきなり、『何度言えばわかるの!』と言われたって、何を叱られているか娘には伝わらなかっただろうな〉というように。
ここまで考える事ができた時、陽子さんの中に〈今、問題なのは、娘が集中して宿題をすることができるようになるためにはどうすれば良いかを考えることだわ〉という思いが生まれてきました。
陽子さんは、娘のことが問題と思っていながら、娘さん自身の気持ちについては、全く思いを寄せていなかった事に、初めて気づいたのです。
〈娘に、どうして動画を見てしまうのか、その気持ちを聞いてみよう。ひょっとしたら、何か理由があるのかもしれない〉。
陽子さんの中に、娘さんとどう関わればよいのか、というアイディアが生まれてきました。
◇リアルな問題解決の道筋が見えてくる
問題が起きている時、私たちの心の中には不安感が生じます。この不安感に駆られると、現実の状況を現実のままに認識することができなくなります。
そんな時、私たちは、不安感から早く抜け出そうと、やみくもに様々な試みを始めます。
けれども、不安に駆られての問題解決策は、現実に沿ったものではありません。
リアルではない対応をすることで、問題がこじれてしまうこともあります。
大切なことは、問題がどうあるかを、ちょっと立ちどまって見つめてみることです。
問題状況の中で、自分が、何に対して、どのように感じているのかを具体的に見つめてみることで、本当の問題が見えてきます。本当の問題が見えてきたとき、現実に即した解決策を考え出す知恵も自然と生まれてくるのです。
セルフ・カウンセリングは、そのようなリアルな問題解決を実現する方法です。
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ほのか (金曜日, 24 2月 2023 13:06)
動画を見ながら宿題をする娘を叱った場面だけで、自分の気持ちが見えるんですね。記載者は何度も読み返し、第3者目線で状況が見えるのは、凄いことだと思いました。どうしても、自分の記載した事にとらわれてしまいがちになりますから。でも、見事ですね。主人に対して体裁を保ちたくてやった事を理解し、娘との関わり方の問題点も理解できたのは、凄いなと感心しました。
ほのかさんへ 牧野妙子より (金曜日, 24 2月 2023 17:54)
ほのかさん コメント有難うございます。
分かっているようでいて 分からないのが自分の気持ちですね。自分の気持ちを、思ったままに文字にして書いてみると〈私ってこんなこと考えていたんだな〉とあらためて自分の気持ちに気づくことができます。モヤモヤした気持ちや、落ち着かない気持ちの時にはどうぞお試しください。