【厳しい上司から逃げた私】中村紀典

イメージ写真
写真はイメージです(PhotoACより)

 セルフ・カウンセリング普及協会は、自分の既成概念に気づき、自分と相手とを共に活かす交流をめざす『セルフ・カウンセリング®』を普及するNPO法人です。

ホームページのリニューアルに伴い、今月から理事、監事が交代でブログに投稿することになりました。今回も前回に引き続き中村紀典理事です。

  若い時、私は新システムの開発責任者になりました。当時、私は成果を厳しく要求する上司とはウマがあわず、開発状況の報告を伸ばしていたら、上司から状況報告を求められました。私はシステムの心臓部に高価だが最新の小型部品を使う意向を伝えました。

これに対し上司は「既存部品を使って簡単にできるだろう!」と言いました。私は少しは反論したのですが、普段から上司を嫌っていたので、〈こんな奴とはもう話したくない〉と思って、「ハイ、分かりました」と言って、その場を逃げました。

そして完成品は十分な性能が出ずに、失敗に終わり、私は責任者として叱責されました。

私は失敗は認めたものの、〈上司の言うとおりにしたのに何故、俺だけが責められるんだ〉と思うことで、自分が落ち込むのを必死に食い止めました。また他人に「何故、俺だけが責められるんだ」と言えないので、さらに苦しい気持ちになり、トラウマになりました。

 後日、セルフ・カウンセリングを知って当時の気持ちを振り返ってみたら、上司の言葉を聞いて<こんな奴とはもう話したくない>との欲求にかられて、私の持っていた<小型部品で作りたい>という欲求を忘れてしまったために失敗を招いたのだと気づきました。

このことから私は、自分の内側にある様々な気持ちを複数の欲求として自覚することの大切さを学びました。

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    関香澄 (水曜日, 11 5月 2022 10:05)

    嫌いだと思っていると
    狭い世界に囚われて
    自分が何をしたいのかと言うことを忘れでしまうものなのだとわかりました。

  • #2

    永野秀則 (水曜日, 11 5月 2022 10:08)

    私も似たような事はありますが、後を引きずらず終わった事はもうおしまいにしています。

  • #3

    中村紀典より (水曜日, 11 5月 2022 16:33)

    関 様へ 
    ある欲求に捉われると他の欲求が見えなくなることが分かったのですね。私の書いた意図を理解していただき嬉しいです。

    永野様へ
    後を引きずらず終わった事はもうおしまいにしているのですね。こうすると気持ちが楽になりますね。今回の私の記述は、辞職する気持ちになったほど私にとって重大事でした。このため、後々までも時折思い出しては憂鬱な気持ちになりました。これではいけないと思って、セルフ・カウンセリングの記述をし、問題の起きた時の心のカラクリを解明してトラウマを解消しました。
     当初、上司が悪いのだと思っていたのですが、セルフ・カウンセリングをすると実は私の欲求の捉え方に偏りがあることに主な原因があることが分かりました。これを自分でも納得できたため以後は、思い出すこともなくなり憂鬱から解放されました。