会社勤務中の私と退職後の私(1)

蓼科の夕日
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セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。

 

10月のブログは中村紀典(NPO法人セルフ・カウンセリング普及協会 理事)のコラムをお届けします。

 

会社勤務中の私と退職後の私(その1)

 

今月、私は83歳です。我ながらよくぞ、ここまで生きてこれたものだと感心しています。
過去を振り返ってみると、会社勤務中の私と退職後の私には、大きな違いがあることに、最近気づきました。

極端に言えば会社員時代は、私は名刺で仕事をしてきたことです。
仕事に関しては、他の会社の初対面の人でも名刺を交換すれば、大きな仕事の話をすることができました。
この時、相手は中村の所属する会社の法人格やそこでの役職を信用しているのです。
つまり、名刺という仮面をかぶった中村だったのです。退職したら、「さあ~これからは自由に生きるぞ~」と思っても、とんでもないことが待ち受けていました。

会社を退職した後では、名刺という仮面を脱ぐことになり、会社員時代に扱っていた大きな仕事はできなくなり、あの時の中村は、何だったのだろうと思ったりもします。

つまり、中村個人が特別な才能等をもっていないかぎり、名刺で仕事ができなくなります。

退職後に趣味等に没頭する人は別として、家で2~3ケ月過ごすと、暇をもてあまし飽き飽きし、つまらなくなります。
そして奥さんと四六時中顔を合わせていていると、うとんじられるようになってきます。
一般に奥さんにとって、いつも家にいる夫はストレスになるようです。

そこで、地域活動としてボランティア活動でもしようと思って、外に出ます。

ところがそこでは、“中村という名の爺さん”として登場することになります。
そこでは、昔の名刺は全く通用しません。

まさに裸の中村個人が試されることになります。

 

つづく

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コメント: 3
  • #1

    東 由紀子 (日曜日, 15 10月 2023 10:51)

    会社員時代は、名刺でスムーズに仕事ができていたのですね。
    退職後は、名刺なしの人生ですよね。ボランティア活動しながら名刺を作りやりとりされたほうがよさそうに思います。

  • #2

    加藤美和子 (日曜日, 15 10月 2023 13:54)

    ボランティア活動をする上での名刺を作るのも、ユニークな発想で良いかもしれませんね。
    しかしこれからの名刺は、本人の裸の人間性が問われますね。
    企業名や、役職名の、七光りは無くなります。
    長い人生で培ったスキル、能力等を発揮して、ボランティア活動に、生かせたら素晴らしいです。
    そんな素敵な名刺を作る楽しみがありますね。

  • #3

    中村から東様、加藤様へ (月曜日, 16 10月 2023 16:56)

    読んでいただき、さらにコメントありがとうございます。
    名刺を作るのも一案ですね。ただ、会社人間であった私は自分の専門技術以外は疎く、人をひきつける名刺の作成は難しい状況です。退職者には良きサラリーマン時代の会社や役職を自慢する人もおりますが、他人の顰蹙を買うだけです。今の自分と会社時代の自分は違うということを、しっかりと認識したうえで、今の自分はどうなのかというとはなはだ弱い自分が見えてきます。
    まさに、裸の中村が問われている気がします。引き続き(その2)をご覧いただければ幸いです。