セルフカウンセリング®という心理学(自己発見心理学)に基づいて、企業研修としてコミュニケーショントレーニングを行ったり、コミュニケーショントレーナーの資格取得のためのセミナーを企画運営しているNPOです。このコラムでは、セルフ・カウンセリングにまつわる様々な情報をお伝えしています。
11月のブログは生江規子先生の「コンプライアンス研修に参加して、学んだこと・気づいたこと」をお送りします。
ほかの国の人はコワイ?
コンプライアンス研修の第1回目と2回目の講師は大熊雅士先生(小金井市教育委員会委員長)でした。
大熊先生は康麿先生との交流も深く、これまでに何回も学会の集まりでお話をしてくださっています。
研修に際し、事前に送られてきた資料のタイトルには
「すべての人が心地よく生きることができる言語環境を」
と書かれてありました。
心地よく生きる…ということについて、さらに次のように説明されています。
*well-beingの状態であること (継続性のある幸福)
*ありのままの自分をみとめられること
*他者との比較ではなく、今の自分が受け入れられること
*人種・民族・宗教・性・身体的、精神的な特徴…などのさまざまな差異によって差別されないこと
これを読んで、<セルフ・カウンセリングの理念に通じることが多いな>と思いました。
そして<さまざまな“差異”のあることをそのまま受けとめずに、評価することが“差別”につながるということなのだな>と私なりに納得しました。
また大熊先生は
「差別意識は、自己形成の歴史の中でいつの間にか取り入れてきたモノサシによって生まれる」
とおっしゃって、ご自分の経験を話されました。
そのお話から、私も似たような経験があったことを思い出しました。
昭和20年~30年代、私が育った町には、ほかの国の出身の人たちが集まって暮らしている地域がありました。
親や周りの大人たちからは
「怖いからあっちに行ってはいけない」
「あそこの子たちと遊んではいけないよ」
と言われていました。
いつも言われているうちに<あそこにはコワイ人たちがいる>という思い込みができてしまったように思います。
また同じ町の中に、米軍(当時は進駐軍と言っていました)の施設や住宅がありました。
町のはずれにあったので、私たちが出会う機会はほとんどありませんでしたが、
大人たちの話にはその人たちの起こした事件やトラブルのことが時折出てきました。
このことからも<ほかの国の人はコワイ>という思いを持つようになったのではないかと思います。
とても残念に思うのは、私自身がその時から今に至るまで、ほかの国の人と交流をする機会を持ってこなかった、ということです。
交流があれば、相手を「ほかの国の人」とひとまとめにするのではなく、「○○の国の△△さん」と呼んで、人と人として気持ちを通わせることができたのではないかと思います。
大熊先生の言われた「差別意識のモノサシを自覚し、その上で相手を受け入れ、対話を通して新しい関係を構築することが大事」という言葉が心にひびきました。
つづく
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東 由紀子 (火曜日, 28 11月 2023 15:15)
児童英語講師の仕事がら、長年外国人講師と仕事をしてきました。カナダ留学をしていますが、人権については、いつも気をつけてきました。
永遠の課題です。笑顔で接しられるようになったらと思います。
生江規子 (火曜日, 28 11月 2023 21:08)
東由紀子 様
お読み下さってありがとうございます。
長年外国の方と仕事をして来られた中で、東さんが気を遣われることも多くあったことと思います。
お互いの外面的・内面的な違いを超えて、ひとりの人として向き合い、尊重し合えることができたら素晴らしいですね。